「トムソーヤ」
SHIN Presents! 新作読み切りシリーズ
「トムソーヤ」
2007年8月29日リリース!!
定価800円(税込み)
>セブンアンドアイ >amazon.co.jp >e-hon >Mana House >ブックサイト三省堂 >boople >JUNKDO BOOK WEB |
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トムソーヤ。君は、あの夏の名前。
あの名作を日本を舞台に大胆脚色!タロとハルの心にしみるひと夏の物語。[白泉社『メロディ』単行本告知より]
夏の初め。突然の母の葬式のため、帰りたくなかった故郷を訪れたハルは、田舎町の少年たちの中で肌の白さが印象的な少年タロと出会う。ある夜二人は思いがけない大事件に遭遇し、その秘密を守ろうと血の誓いをする…。誰にも話せない秘密を共有した二人は少しずつ心を通わせていくが…?
誰もが通過し、夢見てきた日常から飛び出した子供達だけの暮らしが生み出す、眩しい喜びと、そして、奥底にたしかに流れる不安と。
夏の小さな町の美しく眩しい自然を背景に、世代も性別も違うふたりがノスタルジックな「少年時代」を描きだしていく。
大人も子供もいつしか置き忘れて来た、「あの夏」のストーリーは、この本にあふれるほどつまっています。
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2004年11月から2006年4月にかけてメロディで発表された読み切りシリーズ「トムソーヤ」が、この夏いよいよ単行本化です!!
名作「トム・ソーヤーの冒険」を新解釈で漫画化…という、しん先生が何年も前から暖めていた企画に、先生制作指揮のもとSHIN Presents!スタッフもプロットや設定などに参加し、皆で作り上げた作品です。
いつものしんプレ作品とはひと味違った「少女漫画」タッチな世界にもご注目ください。
さらに雑誌掲載時よりカラーページ1p増を含め、全364ページ中約90pの大幅増ページ&リファインにより、紙面で読まれていた方も未読の方も楽しめる作りになっています!!
単行本は「いいひと。」や「最終兵器彼女」と一緒に並べていただけるよう、同じB6判サイズにしていただきました。
SHIN Presents!皆の思いのこもった新しい「トムソーヤ」を、是非お楽しみください!
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CONTENTS
第一章 74p
第二章 51p
第三章前編 60p
第三章後編 45p
最終章前編 67p
最終章後編 69p
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少年時代からの記憶が、一つの作品になりました。
中学時代。陸上部の長距離チームの仲間とともに、イカダをつくり、地図を広げ、お弁当を用意し、胸をドキドキさせながら船出をした日。あの日の鼓動は、水面の向こうあるだろう冒険と危険のどちらに対しての想いだったんだろう。
この物語は説明するまでもない少年文学の名作、マーク・トウェインの『トム・ソーヤーの冒険』をベースにしています。少年時代からの夢であった漫画家になってから、やはり少年時代とても影響を受けたこの冒険を、自分の手で何かの形にしたいとずっと思っていました。「(気持ち的に)構想15年の大作」ということでしょうか。
気持ち的にはおいといて。この作品が今の少女マンガの形になった詳細は長くなるので省きますが、企画当初『きみのカケラ』という少年マンガ作品を数ヶ月単位、単行本描き下ろし状態で制作しており、まだ若いスタッフ達にもう少し短いサイクルで仕事の充実感を感じられる作品を用意してあげたいというのが直接のきっかけでした。今までのフィールドではない少女マンガ誌ですが当時月刊誌であった『メロディ』さんに企画を持ち込ませていただいて、私とスタッフはもちろん担当・高木さんも含めてみんなでわいわいやりながら企画・構想を練り込み、それを私が作品の形になるようにまとめて行くという作業の繰り返しの中で、この本に収録されているモノの何倍にもなるかというシーンが立ち上がりました。それを章ごとのプロットに起こし、プロットをもとにスタッフ皆でもの凄い量のイメージボードを描き、それをまた皆で並べて展開を話し合い、まとめ、皆で分け合ってネームを書き、そのあふれて、落ち着きが無く、元気でナイーブなまさにタロそのもののネーム達を、最後に私が四苦八苦しつつ作品の形にまとめるという…何重にも渡っての、スタッフとのいわばセッションを重ねて、作り上げた作品。とてつもない回り道と、たくさんの無駄と、でもそうしなくては気がつかず得られないだろう道端の、きらきらとした小石や貝殻たちを丁寧に集めた、まさに(気持ちだけは)トム・ソーヤーの名に恥じない──それがこの本『トムソーヤ』だと思っています。
作者は便宜上「高橋しん」になっていますが、スタッフロールに載せさせていただいた、すべての人が、この本『トムソーヤ』の主人公であり、作家であり、作者です。ありがとうございました。そして、おつかれさまでした。
少年の頃に芽生えた、小さな冒険の芽が育ったちょっと厚みがあるこの本を。この本に参加した、たくさんのタロとハルたちが育てたこの本を。皆さんの本棚に出来るだけ長くおいておいていただけるよう、雑誌掲載時より90ページ以上も増やして再構成し、出来るだけ手を入れ、またデザイナーの芥さんに所有する喜びを感じられる気持ちのいい装丁を施していただきました。どうぞゆっくり『トムソーヤ』をお持ち下さい。そして一年に一回でも、この季節に手に取っていただければ、嬉しく思います。
2007年 夏休みの一日
エアコンの修理の終わった事務所にて 高橋しん
─著者「あとがき」より抜粋─
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【原作】マーク・トウェーン〜『トム・ソーヤーの冒険』より
【企画】高橋しん・プレゼンツ
【プロット・作画】 臼井ちひろ 石川せい子 山岡千重子 加藤南 内ヶ崎美紀 前田亜由美 長岡敦子 高橋しん
【キャラクターデザイン】臼井ちひろ 石川せい子 内ヶ崎美紀 高橋しん
【作画】臼井ちひろ 石川せい子 内ヶ崎美紀 西澤葉月 今井彩 伊藤静 鈴木理恵 田中真由 長谷川美香 石井未来 佐竹愛 鮫島慎悟 高橋まどか 並木博人 前田亜由美 長岡敦子 加藤南 倉田麻矢 三平有紀 飯塚彩 新崎三幸 佐野真希 高橋佑彰 高橋しん
【CG】山岡千重子 加藤南 金児絢 三平有紀 澁谷槙 高橋しん
【方言指導】高木靖文
【編集】高木靖文 飯田孝(白泉社)野呂乾樹(現代書院)
【装丁】芥陽子( n o t e )
【監督】高橋しん
一つだけ誤解の無いように。 私たちの事務所は週刊には週刊の最良の演出が、単行本には単行本の演出があるというのが制作姿勢です。
もちろん時間などの関係で出来ないことの方が多いのですが、毎週毎週過ぎていくもの、残っていくもの、それぞれの良さを生かすようにベストを尽くしたいと考えています。
週刊だけ読んでいる方は単行本の増ページ分関係なく楽しんでいただいても問題ありません。単行本は「完全版」ではなくあくまで単行本エディションとお考えください。
週刊で在って、単行本でカットされた絵、シーン、カラーイラスト、たくさんあります。
もちろん両方楽しんでもらうのが、私たちはいちばん嬉しいのです。
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