映画『最終兵器彼女』舞台挨拶。…しん
関東地方、とてもいい天気になってよかったです。今日は実写映画版『最終兵器彼女』の初日です。
映画のことでご協力できるのも、DVD等をのぞけばこれでおそらく最後と言うことで、微力ながらみなさんにご挨拶にうかがいます。
第一回目の上映が終わった後のご挨拶と言うことで、ちょっとドキドキなのですが、渋谷の会場は全部席は埋まってしまったとのこと。映画の力とお客さんの力を信じて見守らせていただきたいと思います。
色々なインタビューでお話ししているのですが、漫画というメディアに携わるものとして、アニメも映画ももちろん漫画も元となるメディア(原作)のトレースではないことがとても大切だと思っています。とはいえ、私も原作のコミックスを描き終えてから五年、すっかりファンの域に達しているのですが、もっと言えばシュウジやちせの父親のような境地なのですが、そう言った意味ではやっぱりハラハラドキドキしますね。親元を離れて頑張ってくれるかなあと。
私はまだ東京国際映画祭バージョンしか観ていないのですが、映画というメディアとしてひとつの正解を見たと感じました。もちろん原作がそうなのですから、映画版「最終兵器彼女」も賛否両論の作品になると思います。監督さんにしても、たくさんの方が関わる「映画」というシステムの中で少なからず思うものではない部分もあったと思います。ただ私は作家として、作品というものは単体で完成することはないと思っています。受け取る方がそこに何か、それが例えほんの一カ所でも、プラスの意味を受け取ることで初めて完成に近づくのが「作品」だと感じています。どんなメディアでも、そこから自分にとっての光るものを受け取っていただければ父親としてうれしく思います。
昨晩出版社のパーティーでお会いした『きみのカケラ』のフランス版を創ってくださるフランスの方とお話ししたのですが、「最終兵器彼女」で表されている「感情」はフランスの多くの方にはとても解るものだとおっしゃってました。この国の世代や時代に左右されないものとして「感情」をエンターテインメントにできないか、をテーマに描いた作品でしたので国境を越えてそういったお話を聞くととても嬉しく思いました。
映画を見に行かれる方が少しでも多く、皆さんにとっての光るものを受け取れることを祈っています。原作者として。ファンの1人として。
末筆になりましたが、最新刊「きみのカケラ」五巻へのたくさんのコメント本当にありがとうございます。「最終兵器彼女お気に入りの1話」へもたくさん、とても嬉しかったです。時代とは逆行するようなゆっくりとした歩みで作品を描いていますが、こうして息長く皆さんに大切にしていただいている事実がとても勇気になります。ありがとうございます。がんばりますね。
しん
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