「最終兵器彼女」OVA試写会に行ってきました。…しん
「戦場のちせ。」
という物がテーマのアニメ「最終兵器彼女」・オリジナルストーリーですが、とても丁寧に作られていて、よかったです。
原作ではあえて戦場でのちせはほとんど描かずに、いわゆる読者さんの「感じる」にお任せする、という演出手法をとっているのですが、これはまさに、アニメスタッフの方はこう「感じる」、というものを、丁寧で迫力の映像と、声優さんのとても大きなパワーで見せていただいたという感じ。とても興味深かったし、なるほど!と思わされました。
本当は「原作者」という重圧から離れて、もっと楽に観れるのかなと思っていたのですが、自分がほとんど関われてない分、もっと緊張するはめになりました。今回OVAには、打ち合わせやシナリオのチェックはもちろんですが、新キャラ「ミズキ」のラフデザインとおじさん将校たち?のラフで参加させていただいたのですが、ミズキという人にとても愛着を感じている自分を発見して驚きました。自分的には美人なんだけど、そばかすと言うところがポイントで、現場を愛する女はお肌の手入れや日焼けには頓着しない美しさがある!と思ってデザインしたのですが、試写をごらんになった方はどう感じられたでしょうか?
ミズキ
おじさん
発売前なのでネタバレなしなのですが、自分が一番気に入っているシーンは、「ちせの街」でちせとミズキの対峙するところ。一触即発のシーンです。ちせの力を知ってる分だけとても怖く、緊張します。ちせ役の折笠さんもあそこまで強い言葉を使うちせは珍しいとおっしゃってましたが、原作者としても新たな発見をしたシーンでした。試写後に催された打ち上げで、私はちせとミズキ役のダブル折笠さんに挟まった席だったのですが、緊張はしましたが、怖い思いはしませんでした。てか、嬉しかったです(あたりまえ)。
本編がテーマ的に重たいものなので(?)、スペシャル版についているドラマCDはとても明るい内容になっています。脚本の江良さんのホンに自分もちょこっとだけ参加させていただいたのですが、台詞など考えるのが楽しく、脚本を読んでこんな明るい気持ちになったのは始めてだ!と思いましたよ。まだ音声は聞いてないのですが、ほんと、おすすめです。あ、そのCDのピクチャーレーベルのイラストも今回書き下ろしました。久しぶりに描いたちせとシュウジとアケミぜひ見てくださいね。
トークショーの中で実写映画版「最終兵器彼女」の制作風景も紹介されましたが、「ちせ」と「シュウジ」をごらんになった方はいかがだったでしょうか。ビジュアルは違ってもちせとシュウジらしさが感じられて、ほっとされたかたも多かったのではないかと思っています。
映画のスタッフさんと何年も前から話し合いを続けていた訳ですが、一貫して言い続けているのが、原作と同じ物は作らないでほしい、ただ、ちせとシュウジが持つ愛すべき「らしさ」だけは守ってほしい。そして、高校生という、いい意味でも、悪い意味でもおばかで、でも真剣でせつない一時代、その空気を描いてほしい。私がロケを観させていただいたのは短い時間でしたが、奇跡的に晴れたあの展望台からの壮大な眺めと、そこに確かにいた「ちせ」と「シュウジ」をみることが出来て、この場所から始まったあの二人を感じて、とてもほっとした気持ちになりました。
今回のようにアニメや、映画もそうなのですが、一つのコンテンツを制作され、こだわり、作り込み、かつビジネスとして成立させて行くという方々の真剣な姿勢に触れるのがとても好きです。
「原作者」という読者さんに対するとても重い責任からは逃れる事は出来ないのですが、それでも私は、そういった真摯な姿勢で作られていくのであれば。そこで生まれ、生きていく。ちせとシュウジを愛したいと思っています。
しん
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