コクーン歌舞伎 「桜姫」…しん

コクーン歌舞伎 「桜姫」…しん

コクーン歌舞伎の『桜姫』を観に行きました。
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 あんまり歌舞伎に造詣が深くない人でも面白がれる演出が随所にあって、楽しめました。同行の方に聞いたのですが、四世鶴屋南北の作品は設定がややこしいものが多くさらっと見ただけではわかりにくい事もあるそうで、そう言われると、たしかに。観劇後その方につまりこれこれこうゆう話なんですよ、とあらすじを聞いて初めて「ああ、それで!」というとこも結構あったりして。…勉強が足りないですね。
 今回お友達が座長の福助さんにチケットをお願いしてとっていただいたとのことなので、とてもいい席で楽しむことができました。間近の通路を花道的に使って、役者さんが演技しながら通過したり、「ちょいとごめん」といいながら通路ではない観客の間を通り抜けたり、ちょっかいかけたり…。目前で役者さんオーラを存分に感じました。コクーン歌舞伎は初めてだったのですが、コンパクトな舞台でやる特性を生かした歌舞伎座で観るのとはまた違った効果は嬉しいです。
 筋的には色恋の話でもあり、現代人にはちょこっと理屈に合わない展開もありますが、最初は橋之助さんと「さすがに年が合わない…」と考えてはならない事を思った福助さんの桜姫も可愛く哀れに観られ、気に入りました。
 全体的には橋之助さん、勘太郎さん、七之助さんら若手と十七歳役の福助さんの重みとのバランスが難しく感じ、筋をよく知らない私は若干キャラクターの取り違えを起こしたりしてしまいましたが、十分パワフルな演技と演出を楽しむ事ができました。もう少し大人向けに艶っぽく作っても面白そうだなとも思いました。
 お気に入りのシーンは「岩淵庵室の場」。歌舞伎というと私は、昔の日本の絵のようなパースの無い平面的な舞台装置を思い浮かべるのですが、ここでは現代的な、パースを生かした様々な演出がなされます。また清玄が心中を図るシーンでは息をのむ緊張感が凄まじく、心を動かされました。
 最後に。三時間半の体育座りはちょっとしんどかったっす。
しん
シアターコクーン:コクーン歌舞伎 「桜 姫」 さくらひめ

 2年ぶりの開催となる今回は、四世鶴屋南北の最高傑作の一つ『桜姫』を上演。運命に翻弄され、流転の人生を歩む桜姫の物語は、南北物の中でも特筆すべき面白さがあり、現代人の共感を得る部分も多い名作です。ユニークであり、官能的なロマンであり、かつ退廃的で、残酷な美の世界でもある『桜姫』。熱き、儚き、狂わしき人間ドラマをたっぷりとお楽しみいただきます。

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