きみのカケラ
LOOK FOR ONE PIECE. TO THE FUTURE OF YOURS.
四方を高いカベに囲まれ、気温は常に零度以下。
休みなく降り積もる雪でいつか埋まってしまう。
そんな未来のない国に、少女は生まれた。
少女の名はイコロ。
この雪の国を治める王族の血をひく王女。
勉強家である少女は、王であり学者でもある父親の本に記された伝説の「太陽」をいつか見つけられたら、そんな思いを抱いていた。
王の家にもはや実権はなく政治をつかさどる政族(まつりぞく)によって王家はしいたげられていた。執事のシャーは、そんな中、イコロに厳しく接しながらもこの世界で生きていくための大切なことを教える。
イコロは政族の下女のようなつらい仕事をこなし、目の見えない弟の世話に追われながらも運命を受け入れ懸命に生きていた。
ある夜のこと、弟のマタクと貧しい食事をしていたイコロの目の前に、天井から何者かが降ってきた。家の地下へと確かめに潜ったイコロは、激しい物音で別の侵入者の存在を知る。
何者かを追い、イコロの家に押し入ったのは戦族(いくさぞく)。「ヒトガタ」を探しているというその三人組は、イコロが王女であると知ると、マタクを人質にとり「ヒトガタ」を渡せとイコロに迫る。
勇気を出してマタクを救おうとするイコロの前に、自分が何者かも忘れたという少年が現われる。
戦族の攻撃を退ける少年。
イコロはマタクを救うためにヒトガタを持っていると嘘をつき、戦族を引きつけ逃げる。
謎の少年はこのまま共に旅をしようとイコロを冒険の旅にいざなう。
二人は戦族から逃れ、がけから飛び降りる。
高台にある王家の領地に住むイコロにとって、その下は未知の世界。
不安や期待や、さまざまな思いを抱きながら、イコロは「太陽」を探したいと決意する。
少年とイコロの冒険が今、始まった。