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2011年3月に起きた東日本大震災から、24ヶ月。
あの日から、二年が経ちました。
震災への精神的な支援を目的に(株)小学館様の特別の許可を頂き、無償で公開させていただく「いいひと。+…and I still remember.〜これから。」の第23期の限定ダウンロードを本日、震災が起こった同時刻の14時46分18秒に、開始させて頂きます。
被災された方、直接被災されなくても心が傷ついた方、原発の元で被害を受けつづけていらっしゃる方、そしてこの作品を描かせていただくきっかけになった阪神淡路大震災を始め多くの震災で傷ついた、今なお終わらない痛みと悲しみにお見舞い申し上げます。
震災から二年、遂に一度もこのPDFファイルをバージョンアップさせる事は出来ませんでした。生活して社会の中で生きて行く事と、こうした活動を両立させて行く事の難しさや、自分に対してのふがいなさを改めて確認するような2年間でした。
ほとんど仕事だけしてきた自分に、ここに新たな言葉を記す資格はありません。ただ一つ、阪神・淡路の震災で被災された方に取材させていただいた時の「忘れ去られる事が一番つらい」という趣旨の言葉から始まったこの作品を、改めて今後も、私自身への反省や気付きも併せまして、作品のテーマ同様、震災からの節目節目で「思い出すこと」をテーマに公開して行けたらと思い、続けさせていただきます。
震災直後の3月26日の第1期の公開以来、たくさんのダウンロード、リツイート、ご感想、そして何より、読んでいただきましてありがとうございました。
正確な集計はしておりませんが、初期の集計の結果から本編・副読本を合わせてミラーを合わせるとおそらく数十万の方にダウンロード閲覧して頂けたのかなと思います。
小さな漫画家の小さな作品に、皆さんで多くの力を与えてくださったこと。その事で、読まれた方の中で少しでも、前を向けた方がいらっしゃれば、嬉しく、誇りに思います。
いつもは作品を出版関係の方や本屋さんから読者さんの元に届けて頂くのですが、この作品はツイッターやwebを通じて、作品を「読者さんから」、そのお友達の方々に届けて頂いています。お手数をおかけしますが、作家としてとても幸せな事だとも思っています。
この無償公開はβ版から支えてくださった読者の皆様のお陰です。一人では、あまりの震災の大きさに心が折れて、皆さんに見てもらうところまでもたどり着けなかったと思います。有り難うございました。
この作品のあとがきにも書かせて頂きましたが、こんな時ですが、こんな時だからこそ、震災が起こってから描かれたものではなく、その時点で、震災の復興に関するコンテンツを持っていたものとして。そして漫画を取り巻く環境が必ずしも良い方向には進んでいない時に、漫画家の先輩達が血のにじむ思いをして開いて下さった「こんな時にでも誰かに勇気をわける事が出来る、信じる」という、漫画が持ち得る道を途絶えさせぬよう、私の小さな一歩一歩ですが、重ねさせて頂ければと思います。
では、この作品を、今は私の読者の方に。それと、もし漫画が好きなお友達で、日常の中震災の事が忘れられて行く、忘れて行く事に心が傷ついている方がいらっしゃいましたら、よろしければまわして頂けますか?小さな力の漫画家で申し訳ないのですが。
2013年3月11日 高橋しん
<画像:IIHITO-eq-hyoushi.jpg>無償ダウンロードはこちらの第1期配信のエントリーからどうぞ。
※震災から2年の節目にあたる月となりますので、今期の無償配信は少し長めに、本日から10日間の限定配信を考えています。
作品のテーマ上、また震災後、節目節目で私なりに復興の状態を見定めつつ、その都度配信して行けたらと思っています。ご理解よろしくお願いします。
PDFが読む事の出来ない環境にある方は、申し訳ありませんが有償の書籍をお買い求め頂くしか、今は方法はありません。これは宣伝ではなく、PDFを読めない方への配慮としての一文です。ご理解頂ければ助かります。
>「いいひと。」11巻の小学館さま書籍情報・販売サイトへ(色んなサイトのネット書店へも行けます)
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